フィラリアの季節になりました。

 昨年しっかりと服用された方、ちょっと忘れてしまった方、忘れてはいないと思うけど~・・・(-.-)と定かでない方、ともにフィラリア予防薬を与える前にフィラリア感染の検査が必要です。(感染している場合、予防薬を与えると体内にいるフィラリアが一気に死滅して強いアレルギーショックを起こし、最悪の場合にはワンちゃんが死んでしまうこともあるのです。)
 

 フィラリア感染検査は血液で調べるのですが、その採血のついでに当院では1歳過ぎたら健康診断を受けられることをお勧めしています。(6歳ぐらいまでは年1回、それ以後は年2回をお勧め)
 

 健康診断と言ってもいろいろな検査があります。
 

 問診、視診、触診、聴診や、尿検査、検便、レントゲン撮影やエコー検査などもあります。(そのような検査をすべて受けられる場合は、ペットドッグがお勧めです。詳しくは院内掲示やリーフレット、またはスタッフまで)フィラリア検査と同時にする検査は、そのような検査の中の血液生化学検査と血液一般検査です(その他オプションもつけれます)。
 

 血液生化学検査では血液中の蛋白、ブドウ糖をはじめ様々な酵素を科学的に分析し、栄養状態、内臓疾患、糖尿病、代謝異常、肝臓や腎臓の働きなどがチェックできます。血液一般検査では、血液の代表的な成分である赤血球、白血球、血小板などの形や量を調べることにより、貧血や白血病、感染症などの診断ができます。

 

 外見からは健康に見えても、何らかの内臓疾患や血液疾患を持っていたり、今はやり(?)の成人病だったり予備軍だったりすることもあります。

 

 うちでは300ちょっとのワンちゃんが春に検査をしますが、全く言うことない素晴らしい検査結果のワンちゃんは全体の2~3割弱(>_<)!!!、同数ぐらいがちょこちょこ正常値からはみ出る値はあるけど今の生活で問題ない子、また、同数ぐらいが同様にはみ出る値があり生活を改めなくてはいけない子(ちょっと改めればよい場合から、かなり改めなくては大変なことになる場合の子までバリエーションは様々)、その残り1割ぐらいの子が早急に治療を開始せねば大変!!という子です。そしてうちでは後者2パターンの場合は「呼び出し」といって、私が直接電話でお知らせをします。

 

 そしてこの時期、病院内ではその検査の整理が恐ろしいほど大変(>_<)なのです。外注検査機関から結果が帰ってくるのですが、何せ1ヵ月強の間にそれだけの数の検査をするため、一気に検査結果が帰ってきます。
 そしてうちでは過去の検査値がすぐにわかるようにそのワンちゃん専用の検査値控えを作っており、どのような時にどこで行った検査でも、私達が知る限りすべての値を日にち順に控えています。
 流れとしては、帰ってきた検査結果をまず私がチェックし、一人ひとりワンちゃんと飼い主さんを思い浮かべながら、年齢、食生活、今までの値との比較等から、「呼び出し」グループを選出します。(その他、ちょっと早めに連絡組と言うのもあります。)そのあと、スタッフがもう一度値のチェック、控えの記入等を行います。その際にその他の情報の確認も行っているつもりですが、これがなかなかチェックしきれない!!。値は私達専門家はどのくらいが問題かわかっているので見ればわかりますが、数字に夢中になってしまうので、その他の情報が抜ける可能性があります。動物さん名、飼い主様名、性別、年齢のミス等ご連絡いただければすぐに訂正させて頂きますねm(__)m。

 

 また検査結果についてですが、せっかくフィラリア検査より血をたくさん採りお金もかけて検査をしたのに、その検査結果を活かしきれない方もまれにいます。私に信用がないのか(;O;)、私の話を信じてもらえない場合があります。専門家の私が大丈夫と言ったら大丈夫ですし、ダメだと言ったらダメ!(>_<)!。そのくらいは信じていただきたい!!。(調子が悪くなった際の治療に関しては一概には言えないので今回は春の健診に限ります。)

 再検査が必要だと提案したらやはり再検査は必要ですし、食べ物の管理が必要だと言ったら管理をして下さい。食事の話をすると、「フードはこれこれしか絶対食べてません!」とちょっと不機嫌におっしゃる方がまれにいらっしゃるのですが、受付でスタッフと話をしているうちに、「おやつはこれこれを食べているのよ~」というショッキングな出来事があります。食事の事を私がお話しする場合は、食べている物すべての事ですよ~。

 あと、「どうしてこの子だけ、こうなのかしら?」「全く今までと生活は変えてないのだけれど・・・」などおっしゃられる場合もありますが人間同様個体差、年齢による変化がありますので、同じ生活をしていても問題が出る場合はあります。その子その子の特性なのでその子の今の状態に合った管理をしてあげる事をお勧めします。

 どうしてこんなになったのかしらと嘆くよりは、どうしたら改善できるかしらと考え方を改め、ワンちゃん、猫さんが快適に生活していけるような管理をしてあげて下さい。好き放題させてあげるのもいいけど、命あっての物種ですよ(*_*)/~~~

♡メルモのお礼♡
           生前病態を気にかけて下さった方々、亡くなった際お悔やみを下さった方々、その節は本当にありがとうございました。体の小さなメルモが虹の橋への階段をたった一人で登って行くために、最後の最後に私がメルモにしてあげれる事はお坊さんにお経をあげて頂く事だけなので、初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、四十九日の供養を行い、先日(4月26日)ようやく百ヶ日のお経を終えました。あとは毎月、月命日(18日)の供養だけになってしまいますが、メルモも永い旅を終え、あちらで落ち着いた生活を始めていることと思います。メルモのいない毎日は酸素が無くなってしまったぐらい辛く苦しいですが、メルモは痛みも苦しみもない世界で楽しく暮らしてくれているはずなので、メルモと再び逢えるその日まで、メルモに恥じる事のない生き方をしていこうと思います。
 気にかけて下さった皆さん、今まで本当にありがとうございました。
 
 

マリア動物病院