症状、病気

2008.07.01更新

 梅雨真っ只中!不快指数が高くなり、じめじめ、べとべと、かゆかゆ・・・。                    
 その『かゆかゆ』ですが、『痒み』は奥が深くて、ちょっとだけ蚊に刺されたりしてすぐ治まる痒みから、人間の子供や動物さんのアトピーなどの目も覆いたくなるような激しい痒みから・・・。                    
                     
 皆さん、痒みの辛さを知っていますか?                    
                     
 ご自分がアトピー、ご家族がアトピーなどで身近に痒みに接していられる方は、十二分に痒みの辛さをご存知だと思いますが、あまり痒みに接していられない方はおそらく、『痛いのは辛いけど、痒いのは我慢できるでしょ(*_*)』と思われていると思います。                    
                     
 じ・つ・は・・・。この私もそうでした。臨床の仕事(獣医師)を始めて 13、4年になりますが、痒みの本当の辛さを知ったのはメルモに出会ってからです。
                    
 話が少し反れますが・・・、メルモが私の子になって3日目、当時私は動物病院の勤務医 をしていたのですが、仕事後、帰宅しメルモの耳の中を見ると・・・。
                    
 『超~汚い!(>_<)』。      
              
 ペットロスから立ち直っていない頃に来たメルモは、通常の『新しく仔犬を迎えたらする検査= 検便&耳ダニの検査』をしてあげていませんでした。                    
 『この汚れ方からして、ほぼ100%耳ダニが付いてる(>_<)。』                    
 そう思うと無性に耳掃除がしたくてたまらなくなりました。                    
 けど、自宅には耳掃除&検査セットも、耳ダニのお薬もない。で、あきらめて次の朝、病院に 連れて行き、お耳の処置ををすれば良かったのですが、性格的に思い立ったら即行動をしなく ては我慢ならないタイプで、家にあるず太い綿棒で、たった400gしかないメルモの耳の中を 探り始めてしまったのです。   
                 
 かわいそうなメルモは、ちょっとだけ痒かったお耳に太い綿棒をグリグリと入れられ、元々 耳ダニで弱っていたお耳の中が暴れだしました。メルモは『痒い、痒い!』と足で耳の中を 掻き始め、掻くとよけい痒くなるから、また掻き始めます。それを抑えるために、掻き始めたら メルモの足を抑えて、又掻き始めたら足を抑えてと・・・メルモと私は、痒いね!痒いね! ごめんね!と、夜を明かしました。そして早朝出勤をしてメルモのお耳の処置をしました。 
                   
 本当にメルモには悪いことをしましたが、私にはとてもいい経験で、『痒み』は『痛み』と同様に 辛い。ということが身に沁みてわかりました。                    
                     
 非常に話が反れましたが、たかが『痒み』と考えないで下さい。痒みは動物さんの生活の質、いわゆる クオリティ オブ ライフ を悪くします。食欲だって落ちますし、苛々して噛み付いたり、引っかいてくるかもしれません。治してあげれるものなら、当然治してあげたいですよね(^^♪。  
                  
 ただ、痒みをすべてなくしてあげること、つまり皮膚病を治してあげることが難しい場合もあります。                    
 アトピーです。(短期間だけ痒みを抑えたり、痒みをコントロールをすることは可能です。)
                    
 でもこのアトピーの定義は難しく、もしかしてアトピーだと思ってあきらめている動物さん(飼い 主さん)が治る皮膚病だったり、治そう!治そう!と頑張っている動物さん(飼い主さん)が、アトピーだったり・・・。                    
 皮膚病は奥が深いです。治療が適切であれば、簡単に結果が出る(治る)皮膚病もありますし、治療も検査方法も適切であるけれど、結果に時間がかかる皮膚病もありますし、治療方法が間違っているがために、結果が出なかったりさらに悪化したりする皮膚病もあります。                    
                     
    先日、土曜日の午後から『皮膚病』のセミナーに行ってきました。2つのセミナーの掛け持ち だったため結構疲れました(T_T)が、とてもためになりました。いつもセミナーに出かける際には、欲張らずに、『何かひとつでも、これからの診療に役立つことを習得して来よう(^・^)』という気持ちでいるのですが、今回の2つのセミナーでは、2つどころか4つも5つも習得することがありました。   
                 
 というか、今までの知識の生理整頓が、頭の中できっちりとできました。この知識を使って、治せない痒みの子、治せる痒みの子、その他の痒みの子などなどを治療していきたいです。                    
                     
 『飼い主さんが動物さんの痒みの原因を理解をし(理解には私たち獣医師のしっかりとした説明が必須)、獣医師は選択した治療に責任を持ち、さらに両者で経過を監視していく。』                    
                     
 治療(あるいは検査)には飼い主さんの協力が不可欠です。協力していただくためには、 信頼関係が必要ですよね(*^_^*)。信頼関係を築いていただけるように、日々精進していきたいと思いますので、よろしくお願い致します(^_-)-☆。                    

投稿者: マリア動物病院

2008.02.01更新

 先日出席した心臓薬のセミナーによると、ワンちゃん(※1)の死因の2位は心臓病で、全体の8%に当たるそうです。
 (※2)(御多分に洩れず、うちのメルモは今癌と戦っていますし【おかげさまでメルモはとても元気にしております。バックNo.3 「うちの子が癌になりました」参照】、18歳まで長生きしてくれたシェルティのあいちゃんは、12歳から心臓弁膜症で投薬を 続けていました。)               
      
 今回は心臓病の 「心不全」 について、お話したいと思います。                     
                      
 「心不全」と聞いて、どのような状態を想像されますか?人間では、胸を押さえて倒れこんだり、息が苦しくなったり・・・でしょうか?(>_<)    
                 
 難しい定義で言うと、心不全とは「心機能の低下に伴い、心臓が身体組織の必要とする充分な血液を送り出せない状態」で、それに付随して様々な臨床症状が発現します。                     
 私たち人間が気付きやすい症状としては、人間同様、倒れる(失神)、息苦しい、咳き込むなど、また良く観察してみると、運動するのを嫌がる(不活発)、お腹が大きくなる(腹水がたまる)など があります。いずれをとっても、生活の質(クオリティ オブ ライフ:QOL)は悪くなりがちです。                     
                      
 私たち人間は、咳がひどいと「仕事にも影響するし」、「夜も眠れないし」、などの様々な理由 から、すぐに咳止め薬を使ったりして咳を止めようとしますし、苦しくなんてなったら、びっくりして すぐに病院に行かれる方が多いと思います。                     
                      
 動物さんたちは?                     
 かわいそうに、自分でお薬を飲むことも買いに行くことも出来ませんし、病院にだって一人で 行けません。その分、私たちが気をつけて観察し、家族(動物さん)の苦しみに出来るだけ 早く気付いてあげて下さい。                     
                      
 「心不全」は治してあげることは出来ないけれど、初期よりコントロールすれば、症状も苦しさも最低限で済みますし、病気の進行だって抑えてあげることができます。                     
 逆に、手遅れになるまで放置をしてしまうと、苦しみもがき、死に直結する発作に何度も襲われ、非常に生活の質(QOL)が悪い中で、亡くなってしまう事になるのです。                     
                      
 では、初期の「心不全」はどのように見つけるのでしょうか? 
                    
 まず、日々の生活の中で上記の症状が出て来たら、病院に連れて行きましょう。その後は私たちの仕事です。従来の心電図検査、胸部レントゲン検査、心臓エコー検査などの他に、(現在はワンちゃんのみですが)血液検査で調べることも出来るようになりました。【NT-proBNP】  又、この検査は心電図やエコーと異なり、数値で表されるため、病気の重症度、進行状態や                     
治療効果などを数字で確認することも出来るのです。                     
                      
    余談ですが・・・ワンちゃんの心不全の原因となる、心臓の弁の病変発生率は4歳までのワンちゃんで40%、8歳で80%、12歳で90%にもなるそうです。この結果からすると、7、8歳ぐらいからは定期健診にこのNT‐proBNT検査も入れていくと、従来の心臓の検査だけより、格段に 心不全の発見が早期にでき、今よりももっともっとワンちゃんの平均寿命が延びるのではないか?    と期待しています。                     
 又、ネコさん、フェレットさんなどでもこのような確立された検査が出来る日を待ちわびています。(研究は進んでいるので、すぐに良いお知らせが出来ると思います。)                     
                      
 もしどこか体に悪いところがあっても、今の動物さんの病状にあった適切なお薬(いいお薬 もどんどん開発されてきています。)=幸せの魔法のスパイスで、毎日がハッピー(^^♪に 元気になりますように! チチンプイプイ(^_-)-☆                     
                      
※1)ネコさんの死因は、1位:感染症 2位:事故だそうです。                     
※2)1位は人間同様"悪性腫瘍"いわゆる癌です。                     

投稿者: マリア動物病院

2007.12.01更新

 お腹が痛い!耳が痛い!体がだるい!気持ち悪い!などなど・・・。 
                 
 人間も、動物さんも、生き物であればいつも元気という訳にはいかず、たまにはどこかが痛くなったり、お熱が出てしまったり、調子が悪く なることもあります。                  
 そんな時、私たち人間(大人?)は自分の体調の悪さを自分以外の 第三者に言葉で説明する事が出来ます。又、嘘(仮病)もつけます。                  
 でも動物さんたちは、悲しいかな言葉に出して説明する事が出来ません。     
             
 動物さんをよく観察されているお家の方は、ちょっとした体調の変化を察し、すぐに診察に来られますが、気にはなっても日々の生活で忙しく来院の時期が遅れてしまったり、来院する足がなかったり、そして一番残念な場合は、                  
動物さんの体調の変化に気づかず、気づいた頃には手遅れだったり・・・。                  
                  
 上記の 「気づいていたけど来院する時期が遅れてしまった」 場合。                  
 当然様々な症状が出てきているのと プラスお家の方も動物さんの様子を観察を されているので、細かな問診を行い、その症状から必要と思われる検査をすれば、まず早期に原因が明らかになり、治療もスムーズに行うことができます。                  
                  
 次、 「気づいたときにはかなり悪化している」 場合。これが私たちには難しく、例えば、ちょっとした下痢を放置した結果の衰弱なのか?はたまた中毒や 他の疾患が隠されている下痢なのか?・・・。的を絞った検査が出来ず、                  
検査代が必要以上に掛かってしまう場合もあります。 (さらに、「何でここまでほっといたの?光線」が私の体の様々な所から出て、飼い主さんは非常に居心地の悪さを感じられるでしょう・・・(>_<)?)                  
                  
 今回お話したい事は上記、最初の例の 「動物さんの体調の悪さをいち早く感じ、すぐに来院される」 場合。例えば、(何度も例に出してますが)下痢をした などと 症状が出ていれば、当然症状が出たらすぐに来院していただくのが一番なのですが 「これといった症状(発熱、下痢、嘔吐など)も原因(ワクチン後など)もない、 食欲もある、お散歩も行く、でもなんか様子が変なのよ・・・。」と・・・。   
               
 こういう場合が一番難しい。     
             
 動物さんは人間と違って仮病はしません。けれど、演技はします。                  
 仮病と演技の違いは?う~ん(>_<)同じですね・・・。                  
 例えばうちの子は、私が忙しくしているとどこか元気がなく、「私は調子が悪いのよ!ほっといていいの?」という顔をします。例えば、いつもは必ず私と同じ部屋にいるのに、そのような時はわざと電気もついていない部屋に一人でいて、変な声を出して鳴いたり、 又、普段は呼ばなくても来るのに、そのときは呼んでも目だけこっち向けて無視をしたり・・・。                  
うちではこれを 仮病 でなくて 演技 と言っています。                  
                  
 また、若夫婦(とは限りませんが (^_^;) )で、赤ちゃんが産まれたりする場合、本当に  精神的ストレスから調子を壊す動物さんも多いけれど、最近は明らかに演技をしてるな~という子も多いような気がします。                  
                  
    話は反れましたが、その「様子が変!」の状態が、何かの病気の前触れなのか、演技なのか、飼い主さんの気のせいなのか・・・?こんなときが一番、動物さんと お話ができない事を悲しく思うのですが、病気なら治してあげたいし、何か文句があるなら 飼い主さんにお知らせしてあげたいし、飼い主さんの気のせいであれば、注射や採血などの痛い事はしたくないし・・・。                  
                  
 今では、体に何か炎症などが起こると上がってくる炎症マーカーを測定する事によって、ある程度検査はできるようになって来ています(ワンちゃんのC反応性タンパク   CRP:当院で検査可能 や、猫さんのα1AG:外注検査機関に提出 採血が必要) ので、現代医学機器と獣医師の勘をフル活用 & 動物さんと会話をしながら &  飼い主さんの鋭い観察力 の三つ構えで、病気の早期発見をしていきたいと 思っています。                  
                  
 最後に。人間の生活は12月は何かと忙しく、動物さんに目が行き届かないことも ありがちです。また、お正月は私たちは知ってる人だけど、動物さんたちにはとっては 知らない人が家に来たり、食べた事のない物を食べてしまったり(食べさせられて?)、  精神的&肉体的なストレスが一番掛かる時期です。   
               
 何でもなければそれが一番なので、それが飼い主さんの勘違いであろうと、動物さんの演技であろうと、何であろうと、気になったのなら早めにご来院下さい。 三つ構えで戦い(?)ましょう。                  
 また、年末年始は休診になる病院も多いため、動物さんの体調管理だけはしっかり 行ってくださいね。      
            
 そして、2007年体調を壊した子も元気だった子も、2008年は病気をせず、元気で健康な、良い年になるように心から願っています。     
             
 では、どうぞ良いお年をお迎え下さい。 Happy New Year(*^。^*)-☆                  
                  

投稿者: マリア動物病院

2007.08.01更新

 先日、2ヶ月の仔犬の頃から診させていただいていたワンちゃんが亡くなりました。                   
 まだ、5歳。熱中症でした。                   
 そのワンちゃんは少しでも目が痒いといっては病院に、少しでも腰が痛いといっては、病院にと、それはそれは大切に、愛されて育てられていました。 
                  
 その1週間前も1頭熱中症で亡くなりました。その子も、お兄ちゃんが大切に 大切に育てていたワンちゃんでした。亡くなった後も、お兄ちゃんは毎日食事を お供えしているそうです。    
               
 2頭とも運び込まれたときには意識がありませんでした。         
          
 なぜこんなことになってしまったのでしょう?                   
 今年が始めての夏ではありませんし去年まで、いいえ今年も暑さには充分気をつけていたはずです。                    
 1シーズンに何頭か熱中症の動物さんが運び込まれます。  
                 
 真夏の炎天下、フィラリア投薬のためにワンちゃんを歩かせて来院してしまった飼い主さん、若い飼い主さんには、何で私があんなにも怒ったのかわからなかったかも知れません。待合で 呼吸速拍、虚脱、嘔吐、呼吸困難と状態が悪くなっていきました。その場が動物病院であった ため手早い処置で、半日入院で元気に帰っていきました。処置が10分遅れていたらと考えると、 今でも恐ろしくなります。     
              
 このように熱中症は時間、体温がすべてで、ある点を超えてしまうと私たちの力ではどうすることも出来ません。冷却処置、輸液、酸素吸入、血漿輸液などあらゆる手を尽くしても 「必ず治します。」なんてことが出来ないのです。
                   
 どうすればいいのでしょうか?
 それはまず予防。暑さから動物さんを守ってあげてください。                   
 まだ、「梅雨だから」、「涼しくなったから」、「少しの間だから」、「毎年大丈夫だから」、 なんてことはありません。いつどんなときでも気をつけてください。                   
 当院で熱中症で亡くなってしまった子はこの5年で2頭です。壮絶な亡くなり方を前に それ以上何も出来なく、本当に、本当に辛いです。                   
 もう絶対にこれ以上増やしたくありませんし、亡くならないまでも動物さんがつらい思いを するのを見たくはありませんし、悲しんでいる飼い主さんを前に、私の怒りをどこに ぶつけていいのかもわかりません。                   
 ワンちゃんだけでなく、猫さんも、ウサギさんも、フェレットさんも、人間?も気をつけましょう。                   
 いつも大丈夫だからなんてことはありません。毎回気をつけてください。 
                  
 どんな時でも「熱中症にご用心!!」                   
                   

投稿者: マリア動物病院

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