症状、病気

2009.11.01更新

 私、十何年ぶりに歯医者さんに通いはじめました。ここ何年も冷たい物は食べられず、熱い物も気をつけながら食べるほど悪かったので、恥ずかしくて、歯医者さんに通う勇気が出なかったのですが、そんなこと言っていられないほどの痛みに襲われ、通い始めました。

 歯が痛いと当然、生活の質も悪くなりますね。というか、生活できないですよね。

  現代の生活の中で、歯医者さんがもしなかったら生きていけないんだな〜((+_+))と、痛感しました。
  動物さんはどうでしょうか?

 うさぎさん、ハムスターさん、モルモットさんでは不正咬合で、おかしく歯が伸びていってしまう病気の子たちがいます。そのような場合は、定期的に切歯処置を行います。切歯しないと、ご飯が食べられなくなったり、歯が頭の方に突き抜けてしまったりして死んでしまうため、あの子たちが生きていくためには、我々獣医師は必須な存在ですね。

 ワンちゃん、猫ちゃんはどうでしょうか?
 ワンちゃんたちは、うさぎさんたちと異なり、我々と同様に不正咬合があっても歯は伸びてきません。

  では一番の心配は人間同様 「虫歯」でしょうか?。
  『何言ってんだよ!。犬は虫歯にならないよ〜(^・^)』などと、自信満々におっしゃっている方〜・・・。

  間違っていますよ(^^♪。たしかにワンちゃんのお口の中は、人間と比べて虫歯菌が繁殖しにくいため、人間のようには虫歯になりません。でも今どきのワンちゃんの、お口の病気の約1割ぐらいは、虫歯が原因であると考えられているのですよ(>_<)。
 では、一番の心配は?・・・・答えは「歯周病」です。

 歯周病とは、歯垢中の細菌が原因で、歯の周囲に炎症が生じる病気で、歯肉のみに炎症が生じている状態は「歯肉炎」、さらに状態が進み、もっと根が深くまで炎症が生じている状態を「歯周炎」と言います。人間と同様です。さすがに痛みが出てくるため人間はこれ以上ほっとく人はいないでしょうが、ワンちゃんたちは我慢強い((*_*)?)ため、そのような状態でも飼い主さんに軽いアピールしかせず、注意深い飼い主さん以外はその状態も見逃し、しだいに歯が抜け落ち、菌がさらに悪さをし、炎症が鼻まで進み顔から血膿が出てきたり、眼の下に膿がたまったり、顎の骨が折れたり、本当に可哀想なことになってから受診される場合も少なくありません。

  また、お口の周りの問題だけでなく、お口の中で増殖した菌が血液の中に入り込んでしまうと、心臓、肝臓、腎臓、骨、関節などで悪さをし、細菌性の心臓病、肝炎、腎炎、骨髄炎、関節炎などを引き起こし命を落としたり、食べ物とともに消化管に入り込むと、慢性的な下痢、嘔吐などを起こします。
 そのように進んでしまった歯周病まで行ってしまうと、完治は難しくなるため、その前の歯肉炎の状態で、できれば受診していただきたいです。


 では、治療法にはどのような方法があるのかご存じですか?

  歯周病発生の始まりは(上記でも述べていますが)、まず歯垢がつきます。その段階で歯垢を取る=歯磨きなどをすれば良いのですが、歯垢に唾液中のカルシウムやリンが付着し、石灰化すると歯石となり、さらに歯石表面はザラザラのため、さらにその上にすぐ歯垢が付着します。

  さらにワンちゃんは口腔内がアルカリ性なので、歯垢から歯石になるまでわずか3〜5日です。
  一度歯石が付いてしまったら、通常の歯磨きでは落とすことができません。
  よって、歯石が付いていない歯の場合は、ブラッシングと歯肉のマッサージなどで改善されますが、ついてしまっている場合の治療法は、何はともあれ、歯石を取ることとなります。

  これが簡単なことでなく、ワンちゃんたちは人間のようにじっとしていることができません。さらに歯の状態が人間どころではないので、処置の際は、かなりの痛みを伴います。ということは、処置を行ったり、完全なお口の検査をする場合には、麻酔をかけなくてはいけないのです。

  人間と比べてかなり大仰なことになりますが、日帰り手術ですので夕方には帰れます

  処置は全身麻酔下で、まず超音波スケーラーで歯垢と歯石を除去していきます。その際、歯冠部(歯の真ん中の部分)のみでなく歯間部(歯と歯の間)、歯肉縁下(歯茎の中の方)、また歯の裏側も同様に、丁寧に取り去っていきます。
  スケーリング後は歯の表面がざらざらなため、すぐに歯石が付いてしまいます。よって、その後ポリッシングといって、歯の表面がツルツルになるように、磨き上げていきます。最後にお口の中を洗浄して、抗生剤を全身投与したり、歯茎の中に軟膏を塗りこんでいきます。

  なんだか難しい説明になってしまいましたが、そんなかんなで、やはりワンちゃんたちにとっても、我々獣医師は必須な存在ですね(^−^)。
  また麻酔までかけて処置をしても、前みたいにほかっておくと元通りです(+_+)。よって、そこからが勝負!(^O^)!。今では色々な種類のデンタルケア製品が出ていますので、その子にあう製品を一緒に選んで、頑張っていきましょう。(待合に展示してあります。)
 余談ですが、野生動物さんには歯周病の発生は少ないそうです。たまには人知れず痛みと戦い、亡くなっていく野生動物さんもいるでしょうけど、歯周病発症の背景には、免疫状態、食餌内容、ストレス、加齢などが関係しているため、まさしく現代病とも言えますね。人間しかりですよね。
  痛いのはどんな場合も嫌です。飼い主さんも、動物さんも、治せる痛みは早めに病院へ行き、治してしまいましょうね(^−^)。

投稿者: マリア動物病院

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