Dr.りえのお話

2011.06.01更新

 今回の東日本大震災だけでなく、アメリカの竜巻などの際でも(当然人命が一番なんですが)私は動物さん達の安否が気になってたまりません。

 外につながれてるワンちゃんは大丈夫だろうか?

 外猫さん達はどうしたんだろう?などなど・・・。

 また、人命救助が始まり始めたら、これまた動物さんもちゃんと助けてくれるのだろうか?

 パニックを起こしてしまったワンちゃんは捕まえることができるかしら?怖くて隅に隠れてしまっている子を見つけることが出来るかしら?などなど・・・。

 私が心配しても何の解決にもならないのですが、心配でたまらなくなります。そして、TVで動物さんが人間と一緒に救助されていたりする映像を見ると、感動で胸がいっぱいになります。今回の震災でも、3週間ぶりに屋根の上で発見されたワンちゃんがいましたよね!あの一報の時には本当に泣けました。助かった感動という簡単な感情ではなく、それまでのその子の状態がどんなに過酷だったかを思うと『辛かったね~(>_<)、でもよく頑張ったね~(;_:)』という気持ちで、胸が張り裂けそうになりました。
                                                                                                  

 けれど、そんな出来事はTVの向こうの出来事ではなく、東海圏に暮らしている私たちには近い将来必ずわが身にふりかかってくる出来事です。
 もしものその時、あの子たち(動物たち)を守るのは飼い主さん自身です。
 ただ、守ると言ってもどう守るのか?
 

 実際、津波や竜巻、地震から守ることは難しいですよね(-.-)。それら自然の脅威に対して身を挺したとしても、一緒に死んでしまうか、自分だけ死んでしまうか、どちらにしても動物さんにとっては飼い主さんがいなくなってしまったら、他に守ってくれる人はいなくなるので死に値します。
                                                                                                   

 今回はそれから先の、動物さんを連れての避難についてのお話をしたいと思います。
 
 
                                                                                   災害発生時の動物さんの扱いは、各自治体によって全く異なりますので、まずはご自身の暮らしている自治体のHPなどで確認しておくべきです。(ちなみに尾張旭市は動物との同行避難が認められています。ほっ(*^^)v。)
  ただ、避難所に入居できるにしても、それが難しくどこかに預かってもらう場合にしても、狂犬病予防接種(ワンちゃんの場合)と混合ワクチン接種は絶対条件で、受けていない動物さんは避難所で生活することは難しいです。また、ケージでの生活に慣れさせておくことも重要で、ずっと泣き喚いてしまったり、開けて開けてとケージを爪でひっかいて怪我をしてしまったりすると、ケージでの生活は無理=避難所で一緒に生活することも無理ということになります。また、
 

  Ⅰ.動物同士を喧嘩させない。
  Ⅱ.無駄吠え、無駄泣きをさせない。
  Ⅲ.第3者でも散歩、世話をさせてくれるか?(ワンちゃんの場合)
  Ⅳ.排泄のしつけはできているか?後始末は必ず飼い主さんがすること。

 

   (普段よりペットシーツの上で排泄することに慣らしておくことも重要)
  Ⅴ.動物をしっかり監視し、第三者に危害を与える可能性をなくすこと。

 

            など。最低でも、上記のような一般的な躾けは必須条件と言うことです。
                                                                                                     

 また、しつけが完璧で無事避難所に家族一緒に入れたとしても、動物さんには物資がなかなか届かないことも予想されます。よって、動物さん用のフード、お水は必ず用意しておくことです。今回の震災では、4日後にペット関連物資が届いた所が多かったようですので、最低でも4日分のフードとお水は用意すべきでしょう。同様に排泄の管理として、ペットシーツも用意しておくと良いでしょう。あと、余裕があればケージもあると完璧ですね。(他、常備薬、食器、動物さんの写真など)
                                                                                                   

 次に、残念ながら動物さんと離れ離れになったしまった場合・・・。
 まず自治体の動物愛護行政に問い合わせます。動物愛護センターなどです。ただ、震災直後は初動態勢にバラツキがあり、対応が遅れた自治体などでは自主的に愛護団体などが勝手に救護活動を行った例もあるため、情報の集約の一つとして、「Google」、「MSN」などがペットを見つけられるサービスの提供を開始しました。「Googleアニマルファインダー」、「MSNペットサーチ」など一度のぞいてみて下さい。獣医師会も「緊急災害時動物救援本部」を立ち上げ、政府や行政機関と連携し、被災動物の救援活動を行っています。こちらもご覧下さい。 
 

 しかし、それよりも離れ離れになった動物さんを見つけるのに一番の方法は、あらかじめ動物さんに印をつけておくこと=「マイクロチップ」を装填することです。
 

 マイクロチップには、「国」、「個体番号」などが組み合わされた個体識別番号が組み込まれています。この番号を日本獣医師会が管理するデータベースと照合することで、飼い主さんに連絡を取ることが出来ますし、飼い主さんが問い合わせることも出来ます。うちの病院でも、待合室にポスターなどを貼り普及活動はしているのですが、残念ながら装填率は全犬猫さんの2%ととても低いです。震災以降、全体的な装填頭数は伸びを見せているそうですが、一時的なはやりでなく、継続的に普及すると良いな~と願っています。
 

 マイクロチップは首輪などと違って外れることがないため、離れ離れになった言葉の話せない家族(動物さんたち)と再び会えるための最後の、最後の命綱になります。万が一のため、マイクロチップを装填し、寿命を全うして天に召されるまで一緒に暮らせるよう、備えたいものですね(^-^)。
 

投稿者: マリア動物病院

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