院長の大切なペットのエピソード

2000.01.01更新

獣医師である私は、1998年9月、あるブリーダーさんから
一匹のヨークシャテリアをお預かりしました。
それは、生まれたばかりの仔犬でした。

その仔は、母犬が死んでしまい、兄弟も力尽きてしまった中で、
何日もミルクが飲めなかったにもかかわらず、
一人ぼっちで頑張っていました。

体重は、生まれた時よりも減ってはいたものの、
一生懸命に、生きようとしていました。

ねずみのミイラのようになってしまっているその仔を見たとき、
正直"もうだめかな?"と、思いつつ
とりあえずやるだけの事はやってみようと、お預かりしました。

仕事とはいえ、哺乳中の仔犬を預かる事は、
心身ともにかなりきつい仕事です。

と、いうのも・・・

身の面では、昼間は普通に仕事をしながら、夜中は何度も授乳を
しなくてはなりません。・・・かなり寝不足になります・・・

心の面では、もともと感情移入が激しい性格で、
少しでも一緒にいると情がわいてきて、
いざ飼い主さんへお返しする時に、
涙なみだのお別れ式をしなければならないのです。

とにもかくにも、お預かりする事は決まってしまったので、
なるべく悲しい思いをしなくても良いように、できるだけ
無心で、感情移入をしないように、お預かりする事になりました。

寝不足の生活が始まりました。

始めは全然飲んでくれなかったミルクも、日増しに吸う力が強くなり、
何とか哺乳瓶から吸えるようになったのは、3~4日後の事でした。

吸えるといっても、一度に吸える量はまだまだ普通の仔犬の3分の1ぐらい
です。という事は、普通の仔犬より、3倍の授乳回数が必要という事です。

1週間がすぎ、何とか体重が生まれた頃ぐらいまでに戻り、
ねずみのミイラから、少し犬らしくなってきました。

その頃から、かなり愛着が湧いてきてはいたものの
その気持ちを打ち消そうと、必死に無心を装っていました。


お気に入りのぬいぐるみさんとチャコ

夜中に呼吸が乱れ、酸素吸入をしたり、発熱したりと、
危ない事はあったのですが、そうこうしているうちに月日がたち、
もう、離乳食が食べられるぐらいにまで育っていました。

もう、まじかに迫っている仔犬との別れにおびえつつ、
毎日生活していた私に、良いか悪いかある知らせが・・・

"その仔犬は引き取れない"と・・・

と、いうのは
その仔犬は、後肢に重大な疾患があり、売り物にはならないとのこと・・・

専門的に言うと、両後肢とも、重度の膝蓋骨脱臼で、
歩く事もできなければ、立つことだってできません。

その他、もろもろの理由から、めでたくも?!その仔犬は、私の
家族となる事になったのです。

チャコとの生活

投稿者: マリア動物病院

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